TNC Thinking Incubator Module
■ ユーザーの思考活動の結果としての「形式知」を貯蔵する
■ そして、各「形式知」をテーマごとに編集(順列化)して、スライドショーとして提示する
■ そして、各「形式知」をテーマごとに編集(順列化)して、スライドショーとして提示する
モジュールの概要
「知的生産活動」を効率的・効果的に行うことは、個人レベルにおいても組織レベルにおいても、大きな課題となっています。そして、それは、組織レベルにおいては、現代経営学における「知識共有・知識創造」という最重要テーマになっています。TNC Thinking Incubator Module は、そこに焦点を当て、その課題を、「多様な知識を取り扱う」「簡易に・一元的に作成・保存・閲覧できる」「自由に取り出し再利用・有効活用する」という3点に集約して捉え、その解決を試みています。すなわち、このモジュールの本質的機能は、(1)知識作成・保存・閲覧の簡易化・一元化、(2)知識表現の多様化・自由化、(3)複数知識の組み合わせによる知識の体系化・構造化、ということになります。(1)と(2)の機能に関しては、Twitter と Wiki からアイディアを得ており、その限りでは、Twiitter における Tweet の文字数制限を取り払い、かつ、Wiki 記法対応にしたような Web アプリケーションになっています。当モジュールは、個人の「メモ」「備忘録」「アイディアノート」のような段階(非公開設定可能)から、それらに多様な表現を与え多数に公開・多数と共有する段階を経て、さらに、複数知識を編成しそれらを一連の知識体系・知識構造として提示する段階までをカバーしています。そこで、そのように、思考活動の孵化器として機能して欲しいという開発者の願いを込めて、名称を「TNC Thinking Incubator Module」としています。
開発履歴
■2012年04月02日 当モジュールを利用したコンテンツページは、コンテンツの追加・更新が滞っているため、一旦非公開としました。
■2011年10月11日 LAUNCH|当サイトにて、実運用を開始しました。|Information No.0027
■2011年10月11日 LAUNCH|当サイトにて、実運用を開始しました。|Information No.0027
開発意図・機能イメージ
モジュール開発者としては、「知識共有」という目的においては、(A)このモジュール全体が、ユーザー間で共有する知識(*1)の貯蔵所として機能する、そして、「知識創造」という目的においては、それを知識体系化・知識構造化と捉えて、(B)その中から、ボトムアップ的に、様々なテーマのもとで複数の知識を組み合わせた知識体系・知識構造が創造されていく、というイメージで機能することを意図しています。もう一段、抽象化すると、(A)このモジュール全体が、ユーザーの思考活動の結果としての知識を「要素(Element)」とする「母集合(Mother Set)」のようになる(*2)、(B)その「母集合」の中から、思考活動の結果である「要素」が様々に組み合わされた「部分集合(Subset)」として、特定の知識体系・知識構造が誕生していく(*3)、というイメージです。
(*1)ここでの「知識」とは、「テキスト化された知識」「エクリチュール化された知識」という意味で、正確には、「知識創造」というコンテキストにおける「形式知」のことです。さらに、当モジュールにおいては、(2)知識表現の多様化・自由化により、テキスト以外にも、Web 上で表現可能な静止画や動画も含むものとして捉えています。
(*2)分かりやすさを考えて「母集合」としましたが、正確には、「上位集合」「普遍集合(Universe)」となります。
(*3)同様に「部分集合」としましたが、正確には、選択された要素には順序が伴うため「順列(Permutation)」となります。
(*1)ここでの「知識」とは、「テキスト化された知識」「エクリチュール化された知識」という意味で、正確には、「知識創造」というコンテキストにおける「形式知」のことです。さらに、当モジュールにおいては、(2)知識表現の多様化・自由化により、テキスト以外にも、Web 上で表現可能な静止画や動画も含むものとして捉えています。
(*2)分かりやすさを考えて「母集合」としましたが、正確には、「上位集合」「普遍集合(Universe)」となります。
(*3)同様に「部分集合」としましたが、正確には、選択された要素には順序が伴うため「順列(Permutation)」となります。
基本概念:「エレメント」と「テーマ」
以降、当モジュールについて考えるにあたり、前項における後者のイメージで捉えていきたいと思います。つまり、ユーザーの投稿を、Twitter においては「ツイート」と呼びますが、当モジュールにおいては、母集合の中の一要素という意味で「エレメント」と呼ぶことにします。そして、母集合の中の部分集合(正確には順序を伴うため「順列」)としての複数の「エレメント」の組み合わせを、組み合わせの上位概念・編成コンセプトという意味合いで、「テーマ」と呼ぶことにします。具体的には、「テーマ」は、複数の「エレメント」から構成される「スライドショー」として提示されます。「エレメント」は、サイトにおいては単一の「ページ」となり、「テーマ」においてはスライドショーの中の単一の「スライド(セクション)」になります。
概要
当モジュールは、データ「作成」局面とデータ「閲覧」局面に分けて捉えると、概要的には、次のようになります。
データ「作成」局面における概要
次のように、「エレメント投稿」「エレメント整形」「テーマ編成」という、3つの段階を考えています。
(1)投稿(= Twitter の長所を導入)
ユーザーは、Twitter における Tweet のように、自身の思考活動の結果としての「形式知」を、このモジュールを通じて、気軽にどんどんと、投稿することができる(操作性1参照)。
(2)整形(= Wiki の長所を導入)
ただし、(i)140文字という制限は無い(制限字数はサイト管理者が設定)、(ii)修正や追記などが可能である、(iii)Wiki 記法に対応している、ことにより、投稿内容を、自由で豊かで多様な表現とすることが可能である(操作性4参照)。
(3)編成(= 当モジュールの独自の特徴)
さらに、ユーザーは、別途、複数のエレメントを一定のテーマのもとで組み合わせて(=選択・順列化)、一連の知識体系・知識構造として提示することができる(操作性5参照)。
(1)投稿(= Twitter の長所を導入)
ユーザーは、Twitter における Tweet のように、自身の思考活動の結果としての「形式知」を、このモジュールを通じて、気軽にどんどんと、投稿することができる(操作性1参照)。
(2)整形(= Wiki の長所を導入)
ただし、(i)140文字という制限は無い(制限字数はサイト管理者が設定)、(ii)修正や追記などが可能である、(iii)Wiki 記法に対応している、ことにより、投稿内容を、自由で豊かで多様な表現とすることが可能である(操作性4参照)。
(3)編成(= 当モジュールの独自の特徴)
さらに、ユーザーは、別途、複数のエレメントを一定のテーマのもとで組み合わせて(=選択・順列化)、一連の知識体系・知識構造として提示することができる(操作性5参照)。
データ「閲覧」局面における概要
次のように、「リスト表示」「エレメント表示」「テーマ表示」という、3つの場面を想定しています。各々は、デフォルトでは「(全ユーザーを対象とした)時系列表示」になりますが、特定ユーザーごとの「ユーザー系列表示」も可能になっています。また、(3)の「テーマ」はそれ自体が「エレメントの意味系列表示」になります。
(1)リスト表示
ユーザーにおける知識創造活動のリアルタイムな全体的状況の把握を可能とするために、「投稿」されたエレメントや「編成」されたテーマをリスト化して提示する(Twitter における Timeline のような位置付け・機能)。
(2)エレメント表示
ユーザーにおける知識創造活動のリアルタイムな個々の内容を把握可能とするために、「投稿」段階における各データの内容を閲覧できるようにする。
(3)テーマ表示
まとまった知識体系・知識構造を迅速に把握可能とするために、「編成」されたテーマの内容(エレメントの組み合わせ)をスライドショーとして提示する。
(1)リスト表示
ユーザーにおける知識創造活動のリアルタイムな全体的状況の把握を可能とするために、「投稿」されたエレメントや「編成」されたテーマをリスト化して提示する(Twitter における Timeline のような位置付け・機能)。
(2)エレメント表示
ユーザーにおける知識創造活動のリアルタイムな個々の内容を把握可能とするために、「投稿」段階における各データの内容を閲覧できるようにする。
(3)テーマ表示
まとまった知識体系・知識構造を迅速に把握可能とするために、「編成」されたテーマの内容(エレメントの組み合わせ)をスライドショーとして提示する。
開発方針と具体的操作性:
大前提として、個々のユーザーからできるだけ多くのポストが行われるようにすることを目指して、そのために、ユーザーが「できるだけシンプルに」「できるだけ簡易に」「できるだけ迅速に」操作可能となるUI・UXを実現することを開発方針としています。具体的な主要操作としては、以下の通りです。
◆エレメント投稿・修正面
(1)ユーザーは、最低限、ただ1つのテキストエリアに入力し、送信ボタンをクリックするだけ、新規エレメントの投稿を完了させることができます。具体的には、1行目がタイトル・3行目以降が本文になるように内部的に処理を行うようにしています。それにより、キャラクターキーとリターンキーを操作するだけで、新規エレメントの作成が可能となっています(ただし、送信ボタンについては、マウスやトラックパッドでのクリックが必要です)。
(2)ユーザーがサイトにログインした状態においては、当該ユーザーが作成したエレメントやテーマが表示されている画面から、それらを修正するための画面へとダイレクトに遷移できるようになっています。つまり、画面に表示されている内容を見て、修正点・追加点があれば、すぐさま(1回の画面遷移で)、修正・追加等が可能となります。
(3)新規エレメントの投稿や既存エレメントの修正の際に、同一画面上で、同時に、所属テーマの追加・変更等が可能となっています。これにより、新規エレメントの作成時にそれが所属することになる新規テーマを同時に作成したい場合や、既存テーマに新規エレメントを追加したい場合には、一回の操作(処理)でそれらを完了することが可能となります。
(2)ユーザーがサイトにログインした状態においては、当該ユーザーが作成したエレメントやテーマが表示されている画面から、それらを修正するための画面へとダイレクトに遷移できるようになっています。つまり、画面に表示されている内容を見て、修正点・追加点があれば、すぐさま(1回の画面遷移で)、修正・追加等が可能となります。
(3)新規エレメントの投稿や既存エレメントの修正の際に、同一画面上で、同時に、所属テーマの追加・変更等が可能となっています。これにより、新規エレメントの作成時にそれが所属することになる新規テーマを同時に作成したい場合や、既存テーマに新規エレメントを追加したい場合には、一回の操作(処理)でそれらを完了することが可能となります。
エレメント整形面
(4)「TNC Ajax Wiki Site Module」と同じ Wiki エンジンにより、簡易な Wiki 記法により、多様な表現が可能です。この Wiki エンジンでは、管理者が登録したプログラムを呼び出すことが可能となっており、通常の Wiki のような静的な表示だけでなく、動的な表示・動的な機能を実現することも可能となっています。
テーマ作成・修正面
(5)テーマにおけるエレメントの組み合わせは、エレメントの ID を、意図した順序で並べるという、非常に簡単な処理で完了します。また、非常にシンプルな記法により、テーマの1セクションとして、エレメントの代わりに別テーマを指定することも可能となっています。これにより、類似した複数テーマを上位テーマでグルーピングすることなどが可能となり、複雑もしくは大規模な知識体系を整理する、アウトラインプロセッサ的に機能させる、論文等を展開する、などことも可能となっています。
(6)テーマにおいては、サイト管理者の設定次第では、テーマを構成しているエレメントを網羅したインデックス(目次)を自動作成するようにすることもできます。
(7)テーマ作者は、テーマのフロントページを自ら作成することもできますし、その作成を省略することも可能です。つまり、テーマの作成も、最小限の入力で可能となっています。
(6)テーマにおいては、サイト管理者の設定次第では、テーマを構成しているエレメントを網羅したインデックス(目次)を自動作成するようにすることもできます。
(7)テーマ作者は、テーマのフロントページを自ら作成することもできますし、その作成を省略することも可能です。つまり、テーマの作成も、最小限の入力で可能となっています。
修正権限面
(8)エレメント、テーマとも、基本的には、(通常の Wiki とは異なり)作者のみがその内容の修正権限を持つようになっていますが、その権限を他ユーザーにも拡張できるようにもなっています。これにより、エレメントやテーマを部門単位などの複数ユーザーで共同管理することも可能です。※当モジュールにおいては、「エレメント/テーマの作者」=「エレメント/テーマの管理者」という位置付けになっています。今後の改良点として、組織の人材移動等に対応するために、エレメント/テーマの作者もしくは管理者を別ユーザーに変更できるようにしたいと考えています。
特徴1:ユーザー個々の「メモ」機能を担う
当モジュールでは、入力されたデータを他ユーザーに対して非公開とし、作成者本人だけが閲覧可能とすることも可能としています。それにより、ユーザー個々のレベルにおいては、当モジュールを、「メモ」「備忘録」「アイディアノート」などとして使うこともできる、というわけです。そうすることで、ユーザー個々における当モジュールの利用促進を図り、そのデータ入力・蓄積の結果が、徐々に、内容の充実化を伴い、他ユーザーに対しても公開されていくことにより、グループ全体としての知識共有・知識創造という目的の実現を目指しています。この特徴は、本質的機能(1)知識作成・保存・閲覧の簡易化・一元化の具現化の一つです。
特徴2:多様な表現を可能にする
当モジュールは、TNC Ajax Wiki Site Module のために開発した PHP Wiki エンジンを共用しています。この Wiki エンジンは、描画に関してはかなり高機能であるため、このモジュールにより描画されるページを、より分かりやすく、より魅力的なレイアウト・デザインを伴って提示することができます(具体的には上記リンクを参照)。知識の一元的管理と表現の多様性は二律背反的ですが、当モジュールは、それを、高機能な Wiki により解決しているわけです。そして、魅力的な表現は、単なる見映えでなく、「知識共有(=多くのアクセス)」を促進する、「知識理解」を促進するように機能します。この特徴は、本質的機能(2)知識表現の多様化・自由化の具現化です。
特徴3:テーマによる投稿間の関係構築
当モジュールにおける「テーマ」という仕組みは、Web アプリケーション一般においては、「投稿間の関係構築機能」として捉えることができます。これは、Twitter では主に「時系列」「ユーザー系列」であり、Wiki では「意味系列」ですが、フロントページを頂点とする「ツリー構造」の中において「トップダウン」的編成となります。一方、当モジュールにおいては、「時系列」「ユーザー系列」での表示も可能としつつ、「意味系列」においては「ボトムアップ」的編成を可能としています。この点に、このモジュールの一番の開発意図があり、開発者としては、それが「知識創造」というコンテキストにおいて不可欠の機能であり、かつ、有効に機能するものと考えています。この特徴は、本質的機能(3)複数知識の組み合わせによる知識の体系化・構造化の具現化です。
D7 Modules developed by TransNetCreation
- TNC Thinking Incubator Module