現代の中小企業にとっても大きな意義を持つと思われる「ブルー・オーシャン戦略」を取り上げたいと思います。
「ブルー・オーシャン戦略」は、2005年頃に登場した戦略概念で、
当時日本でも大きな話題になり、書籍もかなり販売部数を伸ばしたようです。
しかし、日本では、多くの事物が流行現象としてブーム化され、消費され、使い捨てられる傾向があり、
戦略概念としての「ブルー・オーシャン戦略」もその例外ではなく、今ではあまり注目されることもないように思われます。
そして、以後も、グローバリズムはさらに進展し、競争は激化し、
あらゆる財がコモディティ化するというリスクがさらに高まっています。
そのような現状においては、TransNetCreation は、
「異質化」が重要な戦略概念と浮上しているのではないか、と考えています。
もちろん、重要なのは、「異質化のための異質化(自己目的化した異質化)」ではなく、
「顧客にとっての価値ある異質化」です。
このテーマについては、当コラム全体を通じて追求していきたいと考えていますが、
その初回となる今回は、「ブルー・オーシャン」=「競争のない市場」を創出することを目指す
「ブルー・オーシャン戦略」について再考し、
「異質化」が求められる時代におけるその意義を考えたいと思います。
今回のコラムでは、「ブルー・オーシャン戦略」の概要をまとめた上で、
それを既存の経営理論の中に位置付け(つまり、理論をフローとして消費するのではなく、ストックとして回収し)、
現代の中小企業にとってのその意味を考えます。